日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際物理オリンピック」の意味・わかりやすい解説
国際物理オリンピック
こくさいぶつりおりんぴっく
International Physics Olympiad
物理学に関する問題を解く能力を競う国際大会。国際科学オリンピックの一つである。略称IPhO。20歳未満で、大学などの高等教育を受けていない者が対象。物理学への興味や関心、能力を高めるとともに、物理教育における国際交流を目的とする。第1回大会は1967年にポーランドのワルシャワで開かれ、以降、大会は参加国の持ち回りで、原則として毎年1回、7月に7日から10日間の日程で行われている。参加国は5人まで代表選手を派遣でき、2006年以降は80前後の国と地域から400人近い生徒が参加している。日本は2006年の第37回シンガポール大会から参加し、以降、毎回代表選手を派遣している。2023年(令和5)には日本で初めての大会が東京都で開催され、80の国と地域から387名の選手が参加した。
試験は理論問題と実験問題に各5時間かけ、2日間に分けて行う。成績優秀者には、参加者全体の上位約8%に金、同じく約17%に銀、同じく約25%に銅のメダルが授与される。また、大会会期中は、各国の代表選手が参加し、さまざまな体験型見学会や開催国の文化に根ざしたイベントを体験し、交流を深める機会が設けられている。
日本から国際大会に出場する代表選手は、公益社団法人物理オリンピック日本委員会が運営する全国物理コンテスト・物理チャレンジで、優秀な成績をあげた者から選ばれる。
[編集部]