国際体系(読み)こくさいたいけい(英語表記)international system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際体系」の意味・わかりやすい解説

国際体系
こくさいたいけい
international system

相当程度の頻度と一定の過程をもって相互に作用を及ぼし合っている国際主体の集合体。構成単位は国家に限定されず,相互作用も政治的なものに限られないが,実際には,主として国家間の政治的関係の体系をさす。 1950年代に国際政治学者が一般システム理論の影響を受けて,意味の曖昧な「国際社会」や「世界社会」という言葉の代りに,より科学的な概念としてこの用語を用いてから一般化した。国際体系の形態は,その体系の境界,構成単位の主要な特徴,体系の構造,その体系に一般的な相互作用の形,単位間の関係を律する規則という5つの要因によって定まるとされる。構成単位である各国家間に配分される力もしくは影響力の特徴的な配置によって定まる体系の構造については,力が多くの国家にほぼ平均に分散されている「分散体系」,力が2つの大国に分極され,他の国家はどちらかの大国に従属してブロック化している「分極体系」もしくは「ブロック体系」,この2つの構造が組合わさった「分散=ブロック体系」,2つの構造の中間的な性格をもつ「多極体系」,力が一国に集中している「一大強国体系」などのタイプが想定される。さらに国際体系全体の構造は,その部分である各国家の外交政策のあり方を決定する重要な要因をなす。

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