圏谷氷河(読み)けんこくひょうが(その他表記)cirque glacier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「圏谷氷河」の意味・わかりやすい解説

圏谷氷河
けんこくひょうが
cirque glacier

山岳氷河一つで,最も小規模なもの。雪線上の山腹塊状に付着した小氷体として発生し,重力による移動に伴って独特な安楽椅子状のくぼみを形成氷量の多い場合には下方に張出して懸垂氷河となったり,さらに発達して谷氷河涵養域となることもある。 (→カール )  

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世界大百科事典(旧版)内の圏谷氷河の言及

【カール】より

… この地形は主として最終氷期(6万~1.4万年前)の氷河拡大期に形成されたが,現在でも氷河氷が残っているものもある。これを圏谷氷河という。圏谷底はほぼ雪線の高さに形成されるので,圏谷が形成された当時(最終氷期)の雪線の高さを復元することができる。…

【氷河】より

…懸垂氷河は急な斜面にへばりついたような小さなもので,そこからさらに下方へ落下して再生氷河(トルキスタン型氷河)がつくられていることもある。氷期に形成されたカール(圏谷)地形のなかに収まっている圏谷氷河,カールを谷頭部に形成しながら谷の下方へ流れ出している谷氷河(アルプス型氷河),谷氷河がいくつか合流して山麓の平野にまで達している山麓氷河(アラスカ型氷河)など規模に応じて名前が付けられている。大陸氷河よりはるかに小規模だが,山地全体が帽子をかぶったように氷河に覆われている例もあり,氷帽氷河と呼ばれる。…

※「圏谷氷河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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