山岳氷河(読み)さんがくひょうが

日本大百科全書(ニッポニカ)「山岳氷河」の解説

山岳氷河
さんがくひょうが

山地でみられる氷河。急な山の斜面に形成される懸垂氷河、谷の奥にあるカール圏谷)を埋めたカール氷河、谷を埋めた谷氷河などに分けられる。カール氷河がいくつも発達してその先端が谷に流れ込み、合流して大きな谷氷河をつくったものはアルプス型氷河とよばれる。谷氷河がさらに発達して山麓(さんろく)まで押し出すと、山麓氷河とよばれるようになる。ヒマラヤでは、急な岩壁から落下した雪や氷が、岩壁の基部や谷間にたまって氷河をつくることが多い。反対に、緩やかなスカンジナビア山脈のような所では、氷河が山頂部をすっぽりと覆う氷帽氷河が発達する。山岳氷河は、針峰やカール、U字谷などの特徴的な氷河地形をつくる。

[小野有五]

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百科事典マイペディア「山岳氷河」の解説

山岳氷河【さんがくひょうが】

山地の氷河。大陸氷河が高緯度地域に分布するのに対し,山岳氷河は低緯度の高山にも発達しうる。小規模なものに,山岳の頂をおおう氷帽,山腹のゆるやかな斜面に生じる懸垂氷河,山頂付近の凹所にできる圏谷氷河があり,規模が大きいものに各種の形の谷氷河があるが,これは山岳氷河と区別した意味で用いる場合もある。
→関連項目氷河

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世界大百科事典内の山岳氷河の言及

【氷河】より

…一つは平坦で広大な大陸に形成されているもので大陸氷河continental glacierあるいは氷床ice sheetと呼ばれる。もう一つは起伏の大きい高山地帯に形成されているもので山岳氷河mountain glacierあるいは谷氷河valley glacierと呼ばれる。氷床は平坦であるために流動は活発でないが,2000~3000mもの厚さをもつことによって初めて傾斜を生じ,ゆるやかな流動が起こる。…

※「山岳氷河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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