土器座(読み)かわらけざ

改訂新版 世界大百科事典 「土器座」の意味・わかりやすい解説

土器座 (かわらけざ)

室町時代の大和で土器を作り販売していた商人の座。土器は京都深草をはじめ各地で生産されていたが,生産者の組織のあり方等が記録上うかがえるのはこの座についてである。メンバーの総数は文明年間(1469-87)には12~13人で,その製品によって赤土器座,白土器座があった。赤土器は食器に,白土器は食器または灯明皿等に用いられた。座の統轄者は兄部(このこうべ)または作手,一般座衆はこれに対し座子と呼ばれた。両者ともに一乗院,大乗院という興福寺別当の地位を独占的に有する両門跡に従属し,人夫役等の諸役を免除され,赤土器座の兄部は荘園の所領を給されるなど特典を与えられる一方,その課する役をつとめていた。一乗院方の赤土器座衆は社頭御八講に,また大乗院方のそれは維摩会以下十二大会と称する法会に土器を献納する等,さまざまな役が課せられていた。土器座には権門,高家の所領であっても,原料の土を採取する権利が興福寺によって認められ,土地の領主年貢を払ったうえ立ち入って採取していた。なお,大和盆地各地で,14~15世紀のものである赤色,白色の土器が出土している。
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