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法会 ほうえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

法会
ほうえ

仏教儀式。仏,菩薩あるいは祖師,先祖の供養や,罪障の懺悔,経典講説,法の伝授など,ある目的をもって多くの僧侶が集り,説法を行う会のこと。それぞれの宗派組織が発展し,秩序化されるに伴い,法会の目的に従って儀式的に固定化され,一定の構成のもとに声明 (しょうみょう) ,作法などが組まれている。法会に用いられる曲を法要の曲といい,目的に応じ二箇 (にか) 法要四箇法要などの組合せがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうえ【法会】

仏法を説くための会合,集会をいい,のちには仏菩薩や一宗一寺の祖師,さらに祖先などの菩提追善を供養する仏事をいう。インドでは釈迦が多くの弟子や人々のために法を説いた集会が開かれ,中国では長安洛陽の諸寺,五台山,天台山の諸寺,また敦煌などでも諸経・諸論の講義が盛んに行われた。日本では598年(推古6)4月に聖徳太子が,諸王・豪族を集めて法華勝鬘(しようまん)の2経の講義を行ったことが知られ,仏教の興隆流布とともに各種の法会が催された。

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大辞林 第三版の解説

ほうえ【法会】

〘仏〙 説法・読経・修法などの仏事を行い、死者を供養したりするための集会。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法会
ほうえ

仏法に関係した集会のこと。法事、仏事、斎会(さいえ)、法要(ほうよう)、法養ともいう。仏・菩薩(ぼさつ)を供養し、斎(さい)(おとき、食事)を設けて物を施し、その教えを説き、あるいは経典を読誦(どくじゅ)したりして、仏徳をたたえる集まりを総称していう。法会はインド以来今日まで盛んに行われ、その種類も多種多様である。[佐々木章格]

インド

インドでは『十誦律(じゅうじゅりつ)』巻5に、仏が5歳のときに頂髻(ちょうけい)(頭を剃(そ)るとき頂上に残しておくすこしの髪)を切られたのを記念した五歳会(般闍婆瑟会(はんしゃばしつえ)、般遮于瑟会(はんしゃうしつえ))、また6歳のときにふたたび立てられたのを記念した六歳会(娑婆婆瑟会(しゃばばしつえ))や、一般民衆の頂髻を切るのを祝う二月会、成年を祝う入舎会(にゅうしゃえ)などが説かれる。また『摩訶僧祇律(まかそうぎりつ)』巻33には、釈尊に関しては仏生日大会(ぶっしょうにちだいえ)(灌仏(かんぶつ)会。その誕生を記念する)、菩提(ぼだい)大会(成道(じょうどう)会。悟りを開いた日を記念する)、転法輪(てんぼうりん)大会(初転法輪。初めて教えを説いた日を記念する)をはじめ、仏弟子の塔所を供養する羅(らごら)大会や阿難(あなん)大会などがあげられている。そのほか経律論の三蔵、般若波羅蜜(はんにゃはらみつ)、文殊(もんじゅ)・観音(かんのん)菩薩などを供養する法会も行われた。また『長阿含経(じょうあごんきょう)』第17の「沙門果(しゃもんか)経」や『維摩経(ゆいまぎょう)』巻上には、大施会(だいせえ)、つまり僧俗男女貴賤(きせん)上下を遮することなく、あまねく大衆(だいしゅ)に施与する無遮(むしゃ)大会が説かれる。『大唐西域記(だいとうさいいきき)』巻5には、5年に一度無遮大会を行ったことが伝えられ、巻1の梵衍那国(ぼんえんなこく)の条には、王が仏の入滅(にゅうめつ)の日に、無遮大会を行っていると記される。[佐々木章格]

中国

中国においても、早くから帝王が斎を設けて僧俗を供養し、また経論を講説討論させることなどが行われた。多数の僧を招く法会を千僧(せんぞう)会、万僧(まんぞう)会などといい、そのほか水陸に飲食を散じてもろもろの鬼に施す水陸(すいりく)会(施餓鬼(せがき)会の一種で、水陸斎(さい)、悲斎(ひさい)会ともいう)、とらえられた魚鳥を山野水辺に放す放生会(ほうじょうえ)をはじめ、華厳(けごん)会、盂蘭盆(うらぼん)会、頭陀(ずだ)会、獅子(しし)会、竜華(りゅうげ)会などの諸会がある。また禅宗の『勅修百丈清規(ちょくしゅうひゃくじょうしんぎ)』や『幻住庵清規(げんじゅうあんしんぎ)』などによると、祝聖(しゅくしん)(聖寿無窮(せいじゅむきゅう)を祝う)、祈祷(きとう)会(祈雨、祈晴、祈雪、除蝗(じょこう)、日食、月食など、災いを除くよう祈る)、楞厳(りょうごん)会(安居(あんご)の無事を祈る)、青苗(せいびょう)会(農家が苗を植えるときその成熟を祈る)、盂蘭盆会、観音菩薩生日(しょうにち)会、達磨忌(だるまき)、百丈(ひゃくじょう)忌、開山歴住忌、嗣法師(しほうし)忌などの諸会が毎年修せられた。[佐々木章格]

日本

日本では、宮中において御斎(ごさい)会、仁王(にんのう)会、季御読経(きのみどきょう)などが修せられ、平安時代には宮中御斎会、興福寺維摩会、薬師寺最勝(さいしょう)会を南京(なんきょう)三会とし、法勝(ほっしょう)寺大乗(だいじょう)会、円宗(えんしゅう)寺法華(ほっけ)会および最勝会を北京(ほっきょう)三会(天台三会)とし、これらが勅会(ちょくえ)とされた。そのほか諸大寺院では、『三宝絵詞(さんぼうえことば)』巻下などによると、正月の修正(しゅしょう)会から年末の仏名(ぶつみょう)会に至るまでのさまざまな法会が、年中行事として修せられた。大般若(だいはんにゃ)会は『般若経』を供養する法会で、インド以来の風習を伝え、600巻の経とともに十六善神図を奉安する。華厳会は『華厳経』を供養する法会で、五十五所善知識図を道場に掛ける。また南都では唯識(ゆいしき)会、倶舎(くしゃ)会などがある。経典を講説するのを講(こう)といい、のちには広く舎利(しゃり)講、遺跡(ゆいしゃく)講などと称するようになる。各宗においても、祖師の忌日に法会を修してその徳をたたえることが行われる。そのほか、仏像をつくったときの開眼(かいげん)供養、仏堂建立の際の入仏(にゅうぶつ)供養・落慶(らっけい)供養・慶讃(けいさん)会、祖先の追善(ついぜん)のための法会、あるいは彼岸(ひがん)会などさまざまな法会がある。
 法会の儀式は一定しないが、通常、道場あるいは仏祖前を荘厳(しょうごん)し、香華(こうげ)・灯明などを献じて、表白(ひょうびゃく)(趣旨を三宝および会衆に告げる)、願文(がんもん)(施主(せしゅ)が願意を述べる)、諷誦(ふじゅ)(経文を唱える)などを行う。このうち重要な役に服する7人の僧、すなわち導師、読師、呪願(じゅがん)師、三礼(さんらい)師、唄(ばい)師、散華(さんげ)師、堂達(どうたつ)が出仕して行う大法会を七僧(しちそう)法会という。また大法会に行う4種の儀式作法(梵唄(ぼんばい)、散華、梵音(ぼんのん)、錫杖(しゃくじょう))を四箇(しか)の法要という。[佐々木章格]

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