圧力容器(読み)あつりょくようき

知恵蔵「圧力容器」の解説

圧力容器

原子炉の炉心部分を収める鋼鉄製の頑丈な円筒容器。100万kW級原子炉でみると、沸騰水型炉は直径約6m、高さ約23m、加圧水型炉は直径約4.5m、高さ約13m。炉心部分に燃料集合体、炉内構造物として制御棒などがあり、容器内は一次冷却水で満たされている。水は1気圧では100℃で沸騰するが、効率よく発電するにはもっと高温にしなければならない。そのために圧力容器内を高圧にする。沸騰水型炉では70気圧285℃、加圧水型炉では157気圧320℃。燃料棒が破損するなどの事故が起きたときは、放射性物質を閉じ込める役目もする。運転時には高温・高圧となっている。冷却材入り口・出口や蒸気出口等の外部とつながる部分は、太く丈夫な配管で接続されている。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「圧力容器」の解説

圧力容器
あつりょくようき
pressure vessel

原子炉の炉心部と冷却材を収めた容器。冷却材による熱エネルギーの外部への取り出しを効率的に行なうため内部に 100気圧前後の高い圧力がかかっている。また炉心の核物質を封じ込めて原子炉を安全に保つ役割もあり,原子炉の構造上で最も重要な部分である。材料は原子炉の形式などによって多少違うが,高張力鋼や加圧クラッド鋼などが使われる。原子エネルギーを利用するおもな国々では,圧力容器基準が設けられている。原子炉のプラントとしての寿命を決定する重要な構成要素で,それぞれの容器の素材の履歴,使用条件,炉型などにより構造特性が異なるため,合理的な安全評価のためには詳細な解析を必要としている。

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