化学辞典 第2版 「圧電型半導体」の解説
圧電型半導体
アツデンガタハンドウタイ
piezoelectric semiconductor
ピエゾ半導体ともいう.圧電性と半導体的性質を合わせもつ物質で,SeやTeおよび周期表3~15族,2~16族の化合物半導体が主である.これらは対称の中心を欠いている結晶で,機械的わい力を加えることにより誘電分極を生じる.化学結合は価電子結合にイオン性が加わったもので,せん亜鉛鉱およびウルツ鉱型の結晶構造をもつ.キャリヤーの散乱機構は,主として音響モードまたは光学モードによる格子散乱,圧電分極による散乱,不純物散乱などがある.また,圧電結晶では,電場E,電気変位D,応力TおよびひずみSの間には誘電率をε,弾性率をc,圧電定数をeとすれば次のような代表的関係式がある.
T = cS - eE
D = εE + eS
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報