在職老齢年金
月収に応じ、厚生年金を受け取る働く高齢者の年金を減額する制度。65歳以上の場合、賃金と年金の合計が月47万円を上回ると、超えた金額の半分が減る。2018年度末で対象者は約41万人おり、支給停止額は約4100億円。一定以上の賃金がある高齢者は年金の受け取りをある程度、我慢してもらい、年金制度の支え手に回ってもらおうとの考え方が背景にある。60代前半には別の基準があり、賃金と年金の合計が月28万円を上回ると減額される。
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知恵蔵
「在職老齢年金」の解説
在職老齢年金
就業している高齢世代にも一定の年金を支給する制度。2004年の年金改正で、就労を阻害せず、働くことに中立な仕組みにするため、60歳代前半の人には厚生年金(定額部分も含む)の一律2割カットの仕組みを廃止。年金と月収の月額合計が28万円を超えた分の半分を年金からカットし、合計が48万円を超えた部分はその全額を年金からカットする。また、65歳以上は基礎年金は全額支給するが、年金と月収の月額合計が48万円を超えた場合はその半分を年金からカットする。厚生年金は支給開始を繰り下げられるようにした。さらに、70歳以上の被用者にも60歳代後半と同じように収入に応じて年金額を減らすようになるが、保険料の負担はなくなる。
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在職老齢年金
・60歳から65歳未満の特別支給の老齢厚生年金は在職している間は支給されないが、その人の標準報酬月額が一定以下の場合は、一部減額された年金が支給される仕組みのこと。
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世界大百科事典(旧版)内の在職老齢年金の言及
【厚生年金保険】より
…被用者が老齢,障害,死亡により所得を喪失した場合,本人および家族の生活を保障するために主として年金給付を行う社会保険である。 1942年実施の労働者年金保険に始まり,44年に一般事務職,女子も対象に加えて,厚生年金保険の名称に改められた。戦時体制下に制定されたこの年金制度には,生産力の拡充のための労働力の増強確保と強制貯蓄的な機能が期待されていた。第2次大戦後は激しいインフレのために一時は存在の意義も疑われたが,54年の抜本的な改正によって一応の体制を整え,新しい厚生年金保険として再出発することとなった。…
【老齢年金】より
…年金制度において,一定年齢以上の高齢者に対して支給される年金給付。年齢のほかに退職を要件とする場合には,退職年金ということもある。企業年金や個人年金などの私的年金も普及しているが,ここでは日本の公的年金について説明する。老齢年金には,国民年金を通して支給される全国民共通の老齢基礎年金と厚生年金保険(または共済年金)による老齢厚生年金(退職共済年金)がある。
[老齢基礎年金]
老齢基礎年金は,原則として25年の資格期間を満たした者に65歳から支給される。…
※「在職老齢年金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」