地搗唄(読み)じつきうた

精選版 日本国語大辞典 「地搗唄」の意味・読み・例文・類語

じつき‐うたヂつき‥【地搗唄】

  1. 〘 名詞 〙 建築に先だつ地固めのときにうたう作業唄。歌詞は不定。音頭合唱が交互にうたう。一〇月の亥の子に石搗きをする地方では、そのときの唄もいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地搗唄」の意味・わかりやすい解説

地搗唄
じつきうた

日本民謡分類上、仕事唄のなかの一種目で、家屋普請などのおりの地固めに歌われる唄の総称。地固めは土台のあたる部分の地面を搗き固めることであるが、その方法には、(1)櫓(やぐら)を組んで中央に30貫(約112.5キログラム)余りのタコとよばれるおもりをつるし、これに結び付けた綱を16~30人ほどが力をそろえて手繰っては緩め、緩めては手繰ることで行う「櫓胴搗き」と、(2)円盤状の石に綱を放射状に結び付け、これを大ぜいが手繰っては緩め、緩めては手繰ることで地面を固める「亀(かめ)の子搗き」の2種がある。このほか土木普請として、竹刀(しない)で打ち固める「竹刀打ち」、兎(うさぎ)の餅(もち)搗き風の手杵(てぎね)での「千本搗き」、掛矢(かけや)で打ち固める「掛矢打ち」などもある。これらに用いられる唄は、音頭とりが木遣唄(きやりうた)で音頭をとると、囃子詞(はやしことば)のところで他の一同が力を入れることで作業の統合を図る。

竹内 勉]


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