日本大百科全書(ニッポニカ) 「地方分権改革推進法」の意味・わかりやすい解説
地方分権改革推進法
ちほうぶんけんかいかくすいしんほう
国から地方へ権限と税財源を移すため、基本理念と手続きを盛り込んだ法律(平成18年法律第111号)。第一次安倍晋三政権がつくった3年間の時限立法で、最終的に地方分権改革一括法の制定を目ざした。
2006年(平成18)末の法案成立を受け、2007年4月に分権のあり方を内閣総理大臣に勧告する地方分権改革推進委員会(丹羽宇一郎(にわういちろう)委員長)が設置され、2年かけて具体策を内閣総理大臣に勧告した(第一次~第四次勧告)。政府はこれに基づき、地方分権改革推進計画をつくり、2011年に分権一括法を制定する予定であったが、政権の交代もあり果たさずに終わり、2010年3月、地方分権改革推進法は失効した。
日本の地方分権をめぐっては、1995年(平成7)に発足した地方分権推進委員会は国が地方公共団体を下請とみなす機関委任制度廃止に踏み込んだが、権限や税財源の移譲にはメスを入れられなかった。2007年の地方分権改革推進委員会も中央省庁や国会議員の抵抗が強く、中途半端な結果に終わった。構想段階にとどまっている道州制と相まって、地方分権改革は足踏み状態が続いている。
[編集部]