日本大百科全書(ニッポニカ) 「地方分権推進計画」の意味・わかりやすい解説
地方分権推進計画
ちほうぶんけんすいしんけいかく
地方分権の進め方を内閣として決定した計画。これまで2次にわたって決定されてきた。そもそもは、1995年(平成7)6月に設置された地方分権推進委員会(総理大臣の諮問機関)が行った4次にわたる勧告を受け、1998年5月に閣議決定された地方分権の推進に関する計画がはじまりである。勧告は中央政府に集中した権限や財源を地方に移すとともに、国の地方に対する関与を緩和、廃止して地方の自己決定に基づく個性的な地域づくりを推進する方策を示した。同計画は、この勧告の内容をほぼ盛り込んだものになっており、都市計画や教育、環境保全の分野などで、地域の実情にあわせた行政の展開を可能とした。計画の策定後、1998年11月に地方分権推進委員会から第五次勧告が出され、1999年3月に第二次地方分権推進計画が閣議決定された。ここでは、公共事業や補助金制度の見直し、使い先を限定しない統合補助金制度の創設などが盛り込まれた。1999年7月には計画の実施のために必要な法律改正をまとめた地方分権一括法が成立した。
[辻山幸宣]
地方分権改革推進計画
その後、2007年には地方分権改革推進委員会が設置され、2009年11月までに4次の勧告を行った。これを受けて同年12月には鳩山由紀夫内閣が地方分権改革推進計画を策定して、地域主権推進一括法として上程し、それに地方自治体への「義務づけ」「枠づけ」といった事務処理等の見直しを盛り込んだ。これとともに国と地方の協議の場の法制化、地方自治法の一部改正が進められている。
[辻山幸宣]