地獄下り(読み)じごくくだり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地獄下り」の意味・わかりやすい解説

地獄下り
じごくくだり

黄泉国 (よみのくに) 下りともいう。シュメール起源と推定され,のちにバビロニア,アッシリアに伝えられた神話の一つ。豊穣の女神イシュタル (シュメールではイナンナ) が6つの門を通ってそのたびに王妃としての衣裳を1枚ずつ脱がされながら黄泉国に下り,7人の裁判官の前に立たされる。そして彼らの「死のまなざし」で死体と化されるところを英知の神エンキ (エア ) の働きにより蘇生し,再び生者の国に上っていった。この際悪鬼を伴い,また身代りに夫ドゥムジ (タンムズ) を黄泉国に残したという。タンムズの死とそれを哀悼するタンムズ祭儀に関係があり,大地の豊穣力に関する神話であろう。

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