地黄煎(読み)ジオウセン

デジタル大辞泉 「地黄煎」の意味・読み・例文・類語

じおう‐せん〔ヂワウ‐〕【地黄煎】

地黄を煎じたもの。補血強壮薬とする。
地黄を煎じた汁を入れて練ったあめ。くだり飴。

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精選版 日本国語大辞典 「地黄煎」の意味・読み・例文・類語

ぎょう‐せん【地黄煎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じおうせん」から「じょうせん」となりさらに変化した語 )
  2. 水飴(みずあめ)のこと。漢方の地黄を煎じたのに水飴を混ぜて、飲みやすくしたのが元で、のちにただの水飴や竹の皮に引き伸ばした飴、固形の飴の名称となった。
    1. [初出の実例]「地黄煎(ぢおうせん)中国には『ぎゃうせん』『じょうせん』」(出典:浮世鏡(1688))
  3. 昆虫あめんぼ(水黽)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

じおう‐せんヂワウ‥【地黄煎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地黄を煎じたもの。地黄円。じおう。
    1. [初出の実例]「欲霜白老、分寄地黄煎」(出典:菅家文草(900頃)三・分良薬寄倉主簿)
  3. 地黄を煎じた汁を加えて作った飴(あめ)。くだり飴。じおう。
    1. [初出の実例]「右 地黄煎うり うなひ子か乳房に似てもすふ物はちのみちおもふ地黄煎哉」(出典:三十二番職人歌合(1494頃)三〇番)

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世界大百科事典(旧版)内の地黄煎の言及

【あめ(飴)】より

…室町期には〈砂糖飴〉の語が見られるようになり,また,あめの行商人も現れた。《三十二番職人歌合》の中で,糖粽(あめちまき)売と組み合わされている地黄煎(じおうせん)売がそれである。糖粽のほうはあめ色になったもち米のちまきであるが,地黄煎のほうはあめである。…

【地黄煎売】より

…地黄煎は漢方の強壮補血剤で,地黄煎売は典薬寮を本所とする座を結成し,地黄煎販売の特権を認められた供御人の薬売をいう。室町時代の《三十二番職人歌合》には,番匠笠をかぶり小さな桶を棒先につるして担いだ地黄煎売の姿が描かれている。…

※「地黄煎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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