水飴(読み)ミズアメ

デジタル大辞泉 「水飴」の意味・読み・例文・類語

みず‐あめ〔みづ‐〕【水×飴】

粘りけのある液状の飴。でんぷんを酸あるいは酵素糖化させて作る。汁飴
[類語]飴玉晒し飴千歳飴金太郎飴鼈甲飴キャンデードロップキャラメルヌガー

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精選版 日本国語大辞典 「水飴」の意味・読み・例文・類語

みず‐あめみづ‥【水飴】

  1. 〘 名詞 〙 麦萌(むぎもやし)麦芽を用いた液状の飴。現在ではでんぷんを酸あるいは酵素で糖化させて作る。汁飴。〔本朝食鑑(1697)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水飴」の意味・わかりやすい解説

水飴
みずあめ

デンプン糖に分類される甘味料の一種で、粘稠(ねんちゅう)性のある液状のもの。飴は水飴と固飴(かたあめ)に大別され、歴史的には水飴のほうが古い。水飴は奈良時代からつくられていたようで、米を主材料に大麦、小麦、米などのもやしを加えて糖化させている。『和漢三才図会(ずえ)』(1712成立)にも、水飴の糖化に麦もやしや穀芽を用いることが記されている。麦芽が水飴製法の主力となったのはさらに後年のことである。これらのもやし類や麦芽には、デンプンマルトースグルコースに分解するアミラーゼという酵素が含まれている。水飴は単なる甘味料ではなく、平安時代には薬用として貴重品であった。

河野友美

種類

現在、水飴はデンプン(サツマイモジャガイモトウモロコシなど)を主材料にし、糖化法から酸糖化飴と酵素糖化飴の2種に分けられる。酸糖化飴はシュウ酸や塩酸でデンプンを酸分解するもので、一般に水飴とよんでいるものは酸糖化飴が多い。酵素糖化飴はデンプン分解酵素を利用したもので、麦芽を用いた従来の麦芽飴と、酵素剤を用いたもの(ハイマルトースシラップともいう)がある。糖化の方法や程度によって水飴の成分(グルコース、マルトース、デキストリンなど)組成が変化する。糖化の程度はDE(dextrose equivalent)という指標が国際的に用いられ、水飴の固型分に含まれる還元糖(グルコースとして)の含有量(%)で表される。麦芽水飴は特有の風味があり、金沢の「じろ飴」が名産となっている。

[河野友美]

用途

キャンデー類の原料やジャムアイスクリームなどの食品加工や飴煮(あめに)、佃煮(つくだに)などの料理に用いる。砂糖よりも保水性があり、つや出しやしっとりした食感をもたせるのに効果的である。

[河野友美]

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改訂新版 世界大百科事典 「水飴」の意味・わかりやすい解説

水飴 (みずあめ)

デンプンを分解糖化してつくった粘液状のあめ。汁あめともいう。中国では6世紀の《斉民要術》に製法のくわしい記載があり,日本では砂糖が普及するまでは甘葛(あまずら)とともに最も重要な甘味料であった。現在でもそのまま食べるほか,いろいろ加工して各種のあめをつくり,菓子類,つくだ煮,ジャムなどの製造に使用されている。
 →甘味料
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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「水飴」の解説

みずあめ【水飴】

でんぷんを糖化させた汁を煮詰めて作る、甘く粘り気のある液状のあめ。そのまま練って菓子として食べるほか、さまざまな菓子や料理に用いる。古くは米のでんぷんを、麦芽など穀類を発芽させたものを用いて糖化させたが、こんにちではさつまいも・じゃがいも・とうもろこしなどのでんぷんを用い、麦芽を用いた伝統的な製法のほか、糖化に酸または酵素剤を用いることも多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水飴」の意味・わかりやすい解説

水飴
みずあめ

デンプンに酸または酵素を作用させてつくられる粘度の高い甘味物。麦芽糖またはぶどう糖とデキストリンを含む。その製法から酸糖化飴と麦芽飴の2種類があり,酸糖化飴は主として菓子に,麦芽飴はキャラメルキャンディーなどの菓子類や料理に,用いられる。

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百科事典マイペディア 「水飴」の意味・わかりやすい解説

水飴【みずあめ】

の固まる前の半流動体状のものをいう。淡黄色透明であまり粘りけの強くないのが良品。菓子・料理の甘味料として古くから珍重。

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栄養・生化学辞典 「水飴」の解説

水飴

 デンプンを糖化した飴.酸で糖化する場合と酵素で糖化する場合がある.

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世界大百科事典(旧版)内の水飴の言及

【あめ(飴)】より

…古くは餳,糖などの字も用いられ,《延喜式》には諸国から貢納されていたこと,平安京の西市に〈糖〉があって市販されていたこと,また,もち米1石,萌小麦(コムギのもやし)2斗を原料として糖3斗7升をつくったことなどが書かれている。当時のあめは液状の汁あめ(湿飴(しるあめ)とも),つまり水あめで,のちにこれを加工して種々のあめをつくるようになった。室町期には〈砂糖飴〉の語が見られるようになり,また,あめの行商人も現れた。…

※「水飴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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