菅家文草(読み)かんけぶんそう

  • かんけぶんそう クヮンケブンサウ
  • かんけぶんそう〔クワンケブンサウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平安時代前期の漢詩文集。菅原道真著。 12巻。昌泰3 (900) 年,道真が醍醐天皇に献上した家集で,それまでの自己の作品を集めて時代順に配列したもの。侍宴贈答離別,即興のなどがあり,流麗優美な詩風が特色散文は事務的な論文と芸術的な美文に分れる。当時最高の学者,詩人であった作者の姿をうかがうことができる。

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百科事典マイペディアの解説

菅原道真の漢詩文集。900年成立。全12巻。巻6までに468首の漢詩,巻6以下に169編の散文を収載。詩はほぼ制作年代順にまとめてあり,文は四六駢麗体(駢文)が中心,・銘・祭文・記・詩・書序・策問・対策・詔勅・奏状・願文(がんもん)などジャンル別に分類してある。900年に祖父清公の《菅家集》,父是善の《菅相公集》とともに醍醐天皇に献上された。これに続くものに大宰府時代の詩をまとめた《菅家後集》がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

菅原道真の漢詩文集。12巻。900年(昌泰3)成立。前半6巻は詩468首を年次順に,後半6巻は散文161編をジャンル別に集める。道真は政府高官であった得意時代,〈月夜に桜花を翫(もてあそ)ぶ〉(385),〈殿前の薔薇を感(ほ)む〉(418)など艶冶巧緻の作を多く詠む(作品番号は《日本古典文学大系》所収のものによる)。なかんずく,〈春娃(しゆんわ)気力無し〉(148),〈催粧〉(365)の詩と序は,宮廷専属歌舞団の舞姫の官能的な姿態を描いて,王朝妖艶美の頂点に立つもの。

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大辞林 第三版の解説

漢詩文集。一二巻。菅原道真作。900年成立。前半六巻は詩、後半六巻は賦・銘・賛・奏状・願文など。正称は「道真集」。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

菅原道真(すがわらのみちざね)の漢詩文集。12巻。900年(昌泰3)8月、自ら編纂(へんさん)して醍醐(だいご)天皇に献呈した。成立の事情は道真の「家集を献ずる状」に詳しい。現存本は成立時の原形をほぼそのまま伝えている。巻1から巻6までは詩、巻7から巻12までは散文で、468首の詩と、賦(ふ)・序・詔勅・奏状・願文(がんもん)等の多様な文体の散文159首とを収める。平安朝漢詩人の詩文集としてもっとも大部なものである。11歳時の初めての詩作から成立の年の春まで45年間の作を収めるが、詩は年代順に配列されており、30余年の詩人の心の軌跡を読み取ることができる。「家を離れて四日自ら春を傷(いた)む 梅柳(ばいりゅう)何に因(よ)りてか触るる処(ところ)に新たなる 為(かるがゆえ)に去来の行客の報ずるに問ふ 讃州(さんしゅう)の刺史(しし)は本より詩人なり」(駅楼の壁に題す)。[後藤昭雄]
『川口久雄校注『日本古典文学大系72 菅家文草・菅家後集』(1966・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

平安前期の詩文集。一二巻。菅原道真作。昌泰三年(九〇〇)、道真みずから編して醍醐天皇に献上したもの。一~六巻に詩四六〇首あまり、七~一二巻に文一六〇編ほどを収める。詩は元稹・白居易の影響が強く、文は四六駢儷体の美文に、平易で自由な散文が混ざる。「道真集」とも。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

平安前期,菅原道真 (みちざね) の漢詩文集
900年刊。12巻。前6巻は詩,後6巻は散文よりなり,醍醐 (だいご) 天皇に献上した。詩文の内容的特徴は高踏的芸術至上主義のものや,民衆生活にふれたものなどがあり,文学者・政治家としての道真の姿をうかがうことができる。

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