坪前栽(読み)ツボセンザイ

精選版 日本国語大辞典 「坪前栽」の意味・読み・例文・類語

つぼ‐せんざい【坪前栽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中庭に植えこんだ前栽。
    1. [初出の実例]「御前のつほせんさいの、いと、おもしろき盛りなるを、御覧ずるやうにて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  3. 庭。中庭。

つぼ‐せざい【坪前栽】

  1. 〘 名詞 〙つぼせんざい(坪前栽)
    1. [初出の実例]「算刺のすはまは、方の殿上わらはとりて、つぼせざいにたててさぶらふ」(出典:天徳四年内裏歌合(960))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の坪前栽の言及

【前栽】より

…いずれにしても寝殿造など平安時代の庭園に普遍的なもので,寝殿南庭の一隅,遣水(やりみず)のほとり,野筋(のすじ)や築山の裾,枯山水様の立石に添えるなど,多くの用例がみられる。建物や渡殿(わたどの)(廊下)に囲まれた坪庭(皇居では壺庭)にも最適で,ここに植えたのを坪前栽という。このため後宮の殿舎が,その壺庭に植えられた前栽の木の名から,桐壺,藤壺などと呼ばれた。…

※「坪前栽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む