垂水克己(読み)タルミ カツミ

20世紀日本人名事典 「垂水克己」の解説

垂水 克己
タルミ カツミ

昭和期の司法官僚 最高裁判事;東京高裁長官。



生年
明治26(1893)年11月15日

没年
昭和47(1972)年7月7日

出生地
京都府京都市

学歴〔年〕
東京帝大法科〔大正7年〕卒

経歴
東大を出て裁判官となり、戦前は東京控訴院長、戦後大阪、東京各高裁長官を歴任、昭和30年5月、最高裁判事となる。最高裁の硬直時代といわれた時代に比較的ソフトなタイプで、35年の東京都公安条例の合憲判決の際は違憲の反対意見を表明。また「真昼の暗黒」として知られる山口県の八海事件の第1次上告審では「5人の共同犯行は疑問」として原審死刑を含む有罪判決を破棄して広島高裁にやり直しを命じ、同事件無罪確定のきっかけをつくった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「垂水克己」の解説

垂水克己 たるみ-かつみ

1893-1972 昭和時代の裁判官。
明治26年11月15日生まれ。仙台,大阪,東京の各高裁長官をつとめ,昭和30年最高裁判事となる。八海事件では,第1次上告審で死刑をふくむ5人の有罪判決を破棄して広島高裁にさしもどし,のちの被告全員無罪判決のきっかけをつくった。昭和47年7月7日死去。78歳。大阪出身。東京帝大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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