垣見村(読み)かきみむら

日本歴史地名大系 「垣見村」の解説

垣見村
かきみむら

[現在地名]能登川町垣見

躰光寺たいこうじ村の南東にあり、集落の東を朝鮮人街道が通る。元禄郷帳には「カケミ」の訓を付す。「和名抄」記載の垣見郷の遺称地とされ、中世には垣見庄が成立する。応徳二年(一〇八五)九月九日の伝燈大法師覚曜申文案(青蓮院所蔵表制集裏文書)からは、神崎郡垣見・小社こやしろ二郷に所在の田畠寄付を知りうる。建長五年(一二五三)の近衛家所領目録(近衛家文書)に「垣見庄」とみえ、医師丹波季康朝臣が預所であった。一五世紀後半には同郷(庄)知行をめぐる真如しんによ(現京都市北区)と延暦寺との紛争が生じている。文安四年(一四四七)七月一六日の山門西塔院釈迦堂閉籠訴訟条目(北野神社文書)によれば、垣見郷内で山門衆徒が殺害されるという事件があり、延暦寺は同郷の領有を主張したが、この地が同寺に付与されることになったもののなかなか判決がおりず、衆徒が西塔釈迦堂に籠ってその停滞を訴えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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