日本歴史地名大系 「堀越堰」の解説 堀越堰ほりこしせぎ 長野県:上田市上田城下堀越堰神科(かみしな)台地北東伊勢山(いせやま)村の北、小字堀越地籍で神(かん)川より揚水し、隧道によって伊勢山に通じ、そのあと神科台地北部を流下し、長島(ながしま)村で矢出沢(やでさわ)川に合流し、上田城下北東部房山(ぼうやま)村を流れ、上田城の北部を西流し、諏訪部(すわべ)村で南に向きを変え千曲川に流入している。この堰は途中幾筋かの堰を分岐し、神科台地北西部の水田及び太郎(たろう)山麓に広がる鎌原(かんばら)・西脇(にしわき)・生塚(うぶつか)・秋和(あきわ)村にかけて条里的遺構を残す水田地帯を灌漑している。明治初年の灌漑面積二八七町歩(長野県町村誌)。また堰筋の村々や上田城下にとって大切な生活用水であった。「小県郡年表」に延宝七年(一六七九)「伊勢山村の堀越の水源なる厳(岩)をうがつこと方三尺五寸、長さ五拾間」と記され、この年堀越地籍で岩石をうがって隧道をあけ、開削した用水堰である。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by