堂島旧記(読み)どうじまきゅうき

改訂新版 世界大百科事典 「堂島旧記」の意味・わかりやすい解説

堂島旧記 (どうじまきゅうき)

江戸時代,諸藩の蔵屋敷が発行する大量の米切手が売買・取引され,1730年(享保15)以後先物投機取引が公許されていた大坂の堂島米市場の沿革を,同会所の記録類や当時の旧記・著作等から整理・編集したもので,一名《米商旧記》。編者・成立年とも不詳であるが,記事は1615年(元和1)から1870年(明治3)に及ぶ。堂島米市の成立は元禄期(1688-1704)とされるが,本書は元和偃武(えんぶ)後の大坂の市街地の整備,市制,享保大火,米市の発生にかかる淀屋の興亡,帳合米取引の公認までの米取引に関する幕府法令等を前史として収録し,以後の堂島米市場の動静を伝える中には,幕府の大坂における米価政策実施の状況をはじめ,直接・間接に米相場にかかわる天災人災など大坂の重要事項が抄録されており,商都大坂の基本史料であるばかりでなく,幕府を含めた領主財政の解明に有効な史料である。《徳川時代商業叢書》《大阪経済史料集成》所収。
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