塩原植物群 (しおばらしょくぶつぐん)
栃木県那須塩原市の旧塩原町に分布する洪積世(更新世)の化石湖堆積物中に含まれる化石植物の総称。1940年遠藤誠道によってそのほぼ全体のようすが明らかにされた。化石はその大部分が被子植物の落葉広葉樹で,そのおもなものは,ハンノキ,カバ,シデ,ブナ,ナナカマド,カエデ,シナノキなどである。また化石種の大部分は,現在この地のまわりに生育しているものと同種で,現在までに100種をこえる種が識別されている。塩原植物群は,現在よりも年平均気温が5~5.5℃ほど低い気候下で生育したものと遠藤は考えたが,ごく最近の研究によれば,塩原植物群が繁茂していたころの気温は現在と大差がないという。化石は薄くわれる淡色で泥質の堆積物の地層面によく保存され,木の葉石とも呼ばれている。
執筆者:木村 達明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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しおばらしょくぶつぐん
塩原植物群
Shiobara flora
栃木県那須塩原市の塩原湖成層から産出する化石植物群。51科104属171種。更新世。クリ・イヌブナを主とした冷温帯下部の落葉広葉樹と,その背後の盆地斜面にあったブナ林で代表される冷温帯広葉樹林からなる。推定される年平均気温は,現在より1℃暖かく,約30万年前の間氷期の植生を示すと考えられる。参考文献:尾上亨(1989)地調報告, No.269
執筆者:尾上 亨・塚腰 実
参照項目:木の葉石
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の塩原植物群の言及
【木の葉石】より
…これは,昔(地質時代)の木の葉が,砂や粘土,または火山灰などとともに静かな水底で堆積したもので,〈葉の化石〉にほかならない。[塩原植物群]は約130種のおもに広葉樹からなり,その組成から当時の温帯北部に生育したものと考えられている。【木村 達明】。…
※「塩原植物群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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