増間村（読み）ますまむら

日本歴史地名大系

増間村
ますまむら

• 千葉県：安房郡
• 三芳村
• 増間村

[現在地名]三芳村増間

上滝田（かみたきだ）村の北東に位置する広域の村。北東部に大日（だいにち）山がそびえ、増間川が流れる。隠れ里の伝承をもつ山間集落で、平家落人による草分とか、室町時代の里見義実らに滅ぼされた丸氏の落人の村であろうともいう。慶長二年（一五九七）の安房国検地高目録の北（きた）之郡内に里見氏直轄領として村名がみえ、高一九五石余（うち田七四石余）。正保郷帳では平（へい）郡内に高二一三石余とあり、佐倉藩領。寛文四年（一六六四）の若狭国小浜藩領知目録（寛文朱印留）では平群（へぐり）郡増間村内とある。元禄郷帳では高二四〇石余。享保一二年（一七二七）の安房国村々助郷請帳（岩崎家文書）では幕府領二三八石余のほか勝山藩領二石余。同藩領はそのまま幕末に至り、幕府領は旗本坂部領を経て天保一四年（一八四三）以降は府中（ふちゆう）村と同じ変遷をたどる。寛政五年（一七九三）の村明細帳（増間区有文書）によれば、田九五石余・八町九反余、畑九六石余・一六町五反余（ほかに二石余・二反余分の記載がある）、年貢米の津出しは那古（なご）浦（現館山市）で、駄賃は一俵につき一二四文。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」