駄賃(読み)ダチン

デジタル大辞泉 「駄賃」の意味・読み・例文・類語

だ‐ちん【駄賃】

駄馬による運送料金。転じて、品物運送料
使い走りなどの簡単な雑用に対して与える金品。「おつかいの駄賃
[類語]給料賃金サラリーペイ手間賃給与

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「駄賃」の意味・読み・例文・類語

だ‐ちん【駄賃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 貨客を駄馬にのせて運ぶのに対して支払われる運賃。また、品物を運送したり、送り届けたりしたときの賃銭。だちんぜに。
    1. [初出の実例]「諸国運漕雑物功賃〈略〉海路〈〈略〉自敦賀津塩津駄賃、米一斗六升〉」(出典:延喜式(927)二六)
    2. 「従江戸品川迄上下駄賃」(出典:御当家令条‐二〇・海道筋駅馬定・慶長一六年(1611)七月日)
  3. だちんうま(駄賃馬)」の略。
    1. [初出の実例]「大坂より駄ちんにて平泻まて乗之」(出典:言経卿記‐天正一九年(1591)二月二六日)
  4. 人に簡単な仕事を頼んで支払う賃金。特に子どもの使い走りや手つだいなどの礼として与える金銭や菓子。おだちん。
    1. [初出の実例]「これは雪が降るのにお頼み申から賃銭(ダチン)だよ」(出典:人情本・英対暖語(1838)五)

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世界大百科事典(旧版)内の駄賃の言及

【駄賃稼】より

…他人の荷物を輸送してその運び賃を稼ぐ駄賃稼は,室町後期から京都,大津などで知られるが,広く各地に広まるのは江戸時代に入って各地が商品流通にまきこまれていくことによってである。地域の経済の特質によって,当然地方的な遅速の差がある。…

※「駄賃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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