墨田保(読み)すだほ

日本歴史地名大系 「墨田保」の解説

墨田保
すだほ

現長南町須田すだ茂原もばら墨田すみだを中心とした地域に比定される。建治三年(一二七七)一二月二八日の実阿弥陀仏譲状(覚園寺所蔵戌神将胎内文書)に墨田保とみえ、尼実阿弥陀仏が重代相伝の私領である当保内次郎丸名地頭職を子息の源宗房以下四人に分割譲渡したことが知られる。譲状には五人分の田畠屋敷地がそれぞれ詳細にあげられているが、女子土用熊分では南と西の境を政所としている。弘安二年(一二七九)八月二五日の大膳職申状(兼仲卿記弘安七年巻紙背文書)に「職領上総(国カ)墨田保」とあり、当保は便補の地で大膳職に付されていたが、長官の公卿高盛が相伝所領としたので、こうした私領化を止め、職務を勤仕できるよう職役を以前より多く徴収するよう求めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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