墳墓発掘罪(読み)フンボハックツザイ

デジタル大辞泉 「墳墓発掘罪」の意味・読み・例文・類語

ふんぼはっくつ‐ざい【墳墓発掘罪】

墓石を壊したり、墳墓を掘り起こしたりする罪。刑法第189条が禁じ、2年以下の懲役に処せられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「墳墓発掘罪」の意味・わかりやすい解説

墳墓発掘罪
ふんぼはっくつざい

墳墓を発掘した者は2年以下の懲役に処せられる(刑法189条)。本罪は、社会法益の一種としての宗教的風俗または宗教感情に対する罪である。「墳墓」とは人の死体遺骨遺髪などを埋葬した場所であるから、人の死体などが埋葬されていない墓標・墓石などはこれにあたらない。また本罪の保護法益との関連で、宗教的意味を失った古墳などは墳墓にはあたらない。「発掘」とは、墳墓の覆土を除去したり、墓石などを破壊・撤去することをいう。ただ、発掘といっても、死体など蔵置した物を外部に露出させたり、取り出したりする必要はない。

[名和鐵郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android