国指定史跡ガイド 「壱岐古墳群」の解説
いきこふんぐん【壱岐古墳群】
長崎県壱岐市勝本町・芦辺町にある古墳群。壱岐島にある6世紀後半から7世紀にかけての、対馬塚・双六(そうろく)・笹塚・掛木(以上、勝本町)・兵瀬(ひょうぜ)・鬼の窟(いわや)(以上、芦辺町)の6基からなる古墳群。6世紀後半の前方後円墳で全長65mの対馬塚古墳の築造から始まり、続いて双六古墳が造られた。この古墳は墳長91mに及ぶ長崎県最大の前方後円墳で、金銅製単鳳環頭大刀柄頭をはじめとする出土遺物は重要文化財となっている。6世紀末の笹塚古墳は、平坦面上に築かれた直径40mの円墳で、副葬品として検出された金銅製の馬具類は重要文化財。その後造られた直径53.5mの兵瀬古墳は、この時期としては九州最大の円墳で、引き続き、直径30mと推定される円墳の掛木古墳、直径45mの円墳である鬼の窟古墳が築造された。これらの古墳には、巨石を用いた横穴式石室があり、鬼の窟古墳の全長16.5mの横穴式石室は屈指の規模を誇る。古墳の築造には壱岐島以外の勢力が関与していたことが示唆され、東アジア世界との交流のあり方を知るうえで重要なことから、2009年(平成21)に国の史跡に指定された。壱岐島へは、フェリーで博多港~郷ノ浦港が2時間25分、博多港~芦辺港が2時間10分。