改訂新版 世界大百科事典 「変形治癒」の意味・わかりやすい解説 変形治癒 (へんけいちゆ)malunion 骨折が転位したまま癒合した状態をいう。その原因は骨折の不完全な治療,すなわち不完全な整復・固定であったり,骨折部の化膿などによる。変形治癒を起こすと,外観上変形がみられるのみならず,ときに患肢の機能障害を残すことが多い。ただし小児の場合には,ある程度の変形であれば経過とともに自然に矯正されていくことが期待される。一般的には,その矯正能は年齢が低ければ低いほど旺盛であり,年長になればなるほど,また長管骨の中央に近づけば近づくほど起こりにくくなる。屈曲変形はその程度や部位および年齢によってはよく矯正されるが,回旋転位の自然矯正はみられない。→骨折執筆者:東 博彦 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by