普及版 字通 「夐」の読み・字形・画数・意味
夐
14画
(異体字)
15画
[字訓] とおい・はるか
[説文解字]
[字形] 会意
もとに作り、奐(かん)の上部+(けつ)。〔説文〕四上に「營求するなり」と訓し、「に從ひ、人の上に在るに從ふ」とする。字条に「目を擧げて人をふ」意とし、従って夐は、穴上に在る人を、目を挙げて捜求すること、すなわち「営求」の意となるとするが、字の形義を説きがたい。〔広雅、釈訓〕に「夐夐はるなり」とあり、字はまた王延寿の〔魯の霊光殿の賦〕に「(けんけん)」に作り、古くその声があった。〔説文〕に奐(かん)三上と(ぜん)三下とをいずれも夐の省声とするが、声は合わない。奐・はともに胯下の象に従う字。奐は免(の初文)が側身形であるのに対して、その正面形。羊水とともに、子が脱出することを渙然という。の瓦の形はふぐり。の目の部分もふぐり。夐はそのふぐりを攴(う)つ形で、うたれて目喪精、目のくらむことをという。ゆえに意識の遠くなることから、夐絶・夐遠の義を生ずる。はの形声字、夐がその目の由る所を示す字である。
[訓義]
1. 意識が遠くなる、はるか。
2. 遠い、長い。
3. ・と通じ、めがくらむ。
4. もとめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕夐 ハルカニ・トホシ
[声系]
〔説文〕に夐声として瓊・など五字を収め、また奐・の二字を夐の省声とする。
[語系]
夐xiueng、眩hyuen、kiuan、xiutは声義通じ、みな目のくるめく状態をいう。
[熟語]
夐異▶・夐▶・夐遠▶・夐夐▶・夐古▶・夐絶▶・夐然▶・夐阻▶・夐長▶・夐反▶・夐別▶・夐明▶・夐遼▶
[下接語]
幽夐・悠夐・寥夐
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報