夕佳亭(読み)せっかてい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「夕佳亭」の意味・わかりやすい解説

夕佳亭
せっかてい

京都・鹿苑(ろくおん)寺金閣の北東方の高所にある茶屋。明治初年に焼け、1874年(明治7)に再建されたのが現在の夕佳亭であるが、もとの建物は金森宗和の好みになると江戸時代から伝えられている。茅葺(かやぶき)寄棟造の田舎(いなか)家風な外観で、右手斜め前方に杮(こけら)葺切妻造の上段の間が突出する。前面に開放された土間をとり、土間に面して三畳の座敷が続く。土間には、土を設け、典型的な茶屋の構成を備えている。確かに宗和の好みによるものかどうかは明らかでないが、古図で知られる亭の旧姿がよく再現されている。

中村昌生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の夕佳亭の言及

【金森宗和】より

…また陶工野々村仁清を指導して御室焼を始めさせたことで有名。大徳寺真珠庵内の庭玉軒(ていぎよくけん),鹿苑寺金閣の夕佳亭(せつかてい),興福寺慈眼院の六窓庵(現,東京国立博物館内)などが遺構として知られている。【筒井 紘一】。…

※「夕佳亭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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