外ノ浦(読み)とのうら

日本歴史地名大系 「外ノ浦」の解説

外ノ浦
とのうら

[現在地名]浜田市外ノ浦町

近世の浅井あさい村の北端に位置し、深い入江をもつ天然の良港として知られた。「増補日本汐路之記」によれば、浜田湊の下に「戸の浦といふ上下とも能き湊あり」と記され、上り下りのいずれの場合にも風待ちには最適の湊として全国各地の廻船が出入りした。当地の廻船問屋清水屋の「諸国御客船帳」によれば、延享元年(一七四四)から明治三四年(一九〇一)の間に出入りした廻船数は八千九〇六隻に上る。文政八年(一八二五)には二一軒の船問屋があり(諸国御客船帳)、現在七問屋の客船帳が確認されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の外ノ浦の言及

【浜田[市]】より

…1733年(享保18)の記録では八町621戸,士屋敷264戸,浦方185戸とある。浦方には浜田浦,松原浦,瀬戸ヶ島があり,天然の良港外ノ浦(とのうら)は西廻海運開発以来その寄航地として栄え,多くの廻船問屋も成立した。戸数も八町,士屋敷がほとんど変化がないのに対し,浦方では1848年(嘉永1)には440戸と著しい増加をみる。…

※「外ノ浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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