家庭医学館 「外陰部ベーチェット病」の解説
がいいんぶべーちぇっとびょう【外陰部ベーチェット病 Beh[1-09-61-1] et's Disease of the Vulva】
ベーチェット病(「ベーチェット病」)は、原因不明の炎症が口腔粘膜(こうくうねんまく)、皮膚、目などに現われ、全身のいろいろな臓器をおかす難病で、厚労省の特定疾患に指定されています。
女性の場合、皮膚・粘膜症状が主体で、小陰唇(しょういんしん)、大陰唇(だいいんしん)などの外陰部に、痛みをともなった潰瘍(かいよう)を生じます。
[診断と治療]
ベーチェット病の診断基準(コラム「ベーチェット病の診断基準」)にあげられている4つの特徴的な症状のほか、血液検査での炎症反応も参考にして診断が行なわれます。また、皮膚の被刺激性も亢進(こうしん)しており、注射後の針あとが赤く腫(は)れて膿(うみ)がたまる(針反応陽性)ことも診断の参考となります。
現在のところ、根本的な治療法はありませんので、おのおのの症状に応じた治療をしなくてはなりません。
ベーチェット病の外陰部潰瘍には、局所の清潔を保つとともに、ステロイド薬や抗生剤の軟膏(なんこう)が使用されます。