多型性(読み)たけいせい(英語表記)polymorphism

翻訳|polymorphism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多型性」の意味・わかりやすい解説

多型性
たけいせい
polymorphism

同一種の生物でありながら性質が多様性を示すこと。形態的性質だけでなく,生理活性,酵素など分子レベルの性質についてもいう。生物は本来,同一種の個体でもすべて個体差をもつから,相対的に顕著な差異のある場合に限って多型という。この語には,差異が2群以上の異なった群にまとめられるという含みがあるが,雌雄性別による二次性徴の差異には用いない。多くの社会性昆虫では,階級的な多型性がみられ,また昆虫の変態は発生的多型性とみなされる。植物の異形花も多型性の例であり,花柱の長さに長短の2型があるサクラソウ辺縁装飾花のみが大きいガクアジサイなどはよく知られている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android