日本歴史地名大系 「多富家王子跡」の解説 多富家王子跡たふけおうじあと 和歌山県:東牟婁郡那智勝浦町市野々村多富家王子跡[現在地名]那智勝浦町那智山 宮地那智山登山口、大門(だいもん)坂参道の杉木立の右側一〇〇メートルに跡地がある。県指定史跡。王子名は「中右記」などにはみえないが、「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月一九日条に「此道又王子数多御坐」とあり、そのなかの一社と考えられる。多富家は「手向け」の意に解されている。江戸時代の尊勝院古文書(青岸渡寺蔵)に「塩崎多富気」が王子社を造営したことがみえ、後世の創建ともいわれる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by