多柱室(読み)たちゅうしつ(その他表記)hypostyle hall

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多柱室」の意味・わかりやすい解説

多柱室
たちゅうしつ
hypostyle hall

古代エジプトの建築で多くの柱が並んでいる広間のこと。神殿建築の場合,中庭と内陣との間に多柱室が造られる。中央の通路をはさんで左右対称に柱が並んでおり,特に中央の2列だけが他よりも高く,欄間にあたる部分に,採光通風のための窓が開けられることもあった。ルクソールカルナックにあるアモン大神殿の多柱室は 10.2m× 53mの広さで,中央の2列 12本は開花型のパピルス柱で高さ 23m,直径 3.3m,他の 122本は高さ 17mの未開花型のパピルス柱というエジプト最大の壮大な規模をもっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android