多門庄左衛門(読み)たもん しょうざえもん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「多門庄左衛門」の解説

多門庄左衛門(初代) たもん-しょうざえもん

?-? 江戸時代前期の歌舞伎役者
京都舞台にでていたが,寛文元年(1661)江戸にうつる。伊達(だて)な風俗所作をとりいれた丹前創始者で,初期歌舞伎の名立役(たちやく)として活躍した。当たり芸は「谷中六方」など。また加賀節の創始者ともいわれている。京都出身。

多門庄左衛門(2代) たもん-しょうざえもん

吉川多門(よしかわ-たもん)(2)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の多門庄左衛門の言及

【荒事】より

…(1)奴系 《曾我の対面》の朝比奈に代表される。元和偃武(げんなえんぶ)以来盛行した奴風俗・丹前風俗を模倣して成立した奴狂言を改革し,道外方(どうけがた)の奴芸を吸収して,六方と奴言葉を中心とする新しい奴の演技を創始したのが多門(たもん)庄左衛門。その庄左衛門の芸を受け継いだ初世中村伝九郎は,さらに,金平(きんぴら)浄瑠璃の主人公坂田金平の荒々しい武道の表現を介して,1688年(元禄1),《大磯通》に奴朝比奈を創始。…

【丹前】より

…この系統のもので現在残っているものに,常磐津節の《三人形(みつにんぎよう)》,清元節の《土佐絵》,荻江節の《金谷丹前(かなやたんぜん)》《水仙丹前》,長唄の《高砂丹前》《廓丹前》《鞘当》《供奴》《元禄花見踊》などがあり,これらを一括して〈丹前物〉という。〈丹前〉を演技術として歌舞伎で初めて見せたのは多門庄左衛門(生没年不詳,1660年江戸で活躍)といわれ,初世市川団十郎を〈丹前開山〉と記すものもある。【鳥越 文蔵】。…

※「多門庄左衛門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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