日本大百科全書(ニッポニカ) 「大勝号」の意味・わかりやすい解説
大勝号
たいしょうごう
北海道炭礦鉄道(ほっかいどうたんこうてつどう)の手宮(てみや)工場で、1895年(明治28)に日本人だけで製造した国産第2号機関車。弁慶号(べんけいごう)、義経号(よしつねごう)を参考としたため、煙突や運転室の形状が異なるほかは、仕様はほとんど両機関車と同様である。完成したときに日清戦争(にっしんせんそう)が勝利に終結したので「大勝号」と命名された。形式は7150形。1954年(昭和29)に国鉄苗穂工場で復原され、現在は小樽市総合博物館(おたるしそうごうはくぶつかん)に保存されている。現存する国産機関車としては最古のもので、1964年に準鉄道記念物に指定され、2010年(平成22)に鉄道記念物に昇格された。
[松澤正二]
『臼井茂信著『国鉄蒸気機関車小史』(1956・鉄道図書刊行会)』