国指定史跡ガイド 「大坂城石垣石切丁場跡」の解説
おおさかじょういしがきいしきりちょうばあと【大坂城石垣石切丁場跡】
香川県小豆(しょうず)郡小豆島(しょうどしま)町岩ヶ谷にある採石場跡。小豆島は古くから良質の花崗岩の産地として知られる。元和・寛文年間(1615~45年)の大坂城修築工事の際には、江戸幕府は諸大名に工事用の石材の調達を命じたといわれる。筑前黒田藩はここから多くの石材を切り出し、搬出した。東部海岸の岩谷(いわがたに)の山中や海岸には、10cmほどの矢孔や現在の大阪城石垣石の刻印と同種の刻印のある石垣石や巨石が多数みられるが、これは大坂城改築の石垣用石を採取したときの残石である。岩谷には大きく分けて、南谷、天狗岩、天狗岩磯、豆腐石、亀崎、八人石の6ヵ所の丁場があるが、石垣用石や種石、そげ石など1612個の残石が見つかっており、岩谷は島内最大の丁場であったと考えられる。1972年(昭和47)に国の史跡に指定された。また小海(おみ)には、積み残された残石約40個が並べられている。土庄(とのしょう)港から小豆島オリーブバス「岩ヶ谷」下車、徒歩約15分。