大学事典 「大学と建造物」の解説
大学と建造物
だいがくとけんぞうぶつ
universities and buildings
大学には教育と研究を支援するためのさまざまな建造物が置かれ,全体としてその大学を特色づけている。教室にはゼミナールなどを行う小教室から何百人を収容する大教室,パソコン教室,実験室などさまざまな形態がある。現在の図書館は単なる資料の所蔵施設にとどまらず,インターネット設備をもった電子図書館ともなっている。学生食堂(学食)はかつてのように安く食事を学生に提供するだけでなく,最近はレストラン顔負けのところも現れている。講堂は早稲田大学の大隈講堂のように大学を象徴する建物でもある。キリスト教系の大学には,上智大学のクルトゥルハイム聖堂(上智大学)のような礼拝堂が置かれている。厚生施設の入った大学会館,学生寮も大学に欠かせない建造物である。最近では大学の歴史を伝える大学博物館(大学アーカイブ)をもつ大学も少なくない。歴史の古い大学は,東京大学の赤門(東京大学)のように国の重要文化財に指定された建造物をもっている。ハイデルベルク大学(ドイツ)には,かつての学生牢も建造物として残っている。
著者: 木戸裕
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報