ゼミナール(その他表記)〈ドイツ〉Seminar

デジタル大辞泉 「ゼミナール」の意味・読み・例文・類語

ゼミナール(〈ドイツ〉Seminar)

大学教育方法の一。教授などの指導もとに、少人数学生が特定のテーマについて研究し、報告・討論するもの。演習ゼミセミナー
1の方法・形態をとる講習会。セミナー。
[類語]実習演習フィールドワーク練習リハーサルらし下稽古したげいこ習練訓練特訓稽古けいこ温習おさらいトレーニングエクササイズレッスンゲネプロ寒稽古通し稽古舞台稽古立ち稽古稽古事鍛錬練磨練成修業修練教練試練

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ゼミナール」の意味・読み・例文・類語

ゼミナール

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Seminar )
  2. 大学における演習形式の授業。あるテーマを設定し、それに関する学生の発表や討論などを中心とするもの。また、そこに出席する学生、教官で構成される大学の学科内の集団。ゼミ。セミナー。
    1. [初出の実例]「東京商大において行はれてゐるやうな演習指導、即ちゼミナール制度〈略〉によって」(出典:学生と読書(1938)〈河合栄治郎編〉学生と図書館〈吹田順助〉五)
  3. ひろく小人数を対象とし、討議を加味した講習会の呼称。ゼミ。セミナー。
    1. [初出の実例]「滝沢氏が独逸語のゼミナアルを開いてゐた時」(出典:二閑人交游図(1941)〈上林暁〉はしがき)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼミナール」の意味・わかりやすい解説

ゼミナール
ぜみなーる
Seminar ドイツ語

大学教育におけるクラス編成の一形態。略してゼミともいい、英語ではセミナー。日本では演習とよぶ。研究ないしは高度な学習に従事する少人数の学生が、1人ないしは複数の大学教員の一般的な指導の下に、専門的な相互に関心のある問題について深く研究する授業で、学生がその特定のテーマについて独創的な研究報告をし、それに基づいて全員で討議をするのが一般的である。日本では、原書講読をも演習とよんでいる。アメリカ大学院レベルでは、コロキアムcolloquiumともよばれる。ゼミナールの語源は、ラテン語のsēmināriumで、苗床、育成場などの意味で、動植物の飼育栽培の場所を意味したが、それが転じて、16世紀に、カトリック教会の牧師養成の神学校、18世紀初頭、フランケAugust Hermann Francke(1663―1727)によってドイツに創設された教員養成所、さらに19世紀には、広く科学研究の専門家養成所の意となった。

 また、ゼミナールは、養成所で行われる少人数による独得な教授研究組織や方法をもさすことばとなった。アメリカでは19世紀後半ドイツの大学への留学から帰国した学徒たちによってセミナーを導入した。日本では、明治末年ごろドイツ人教師によって帝国大学に導入された。大学設置基準では、演習は、15時間から30時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位とすると規定されている。

[金子忠史]

『一般教育学会編『大学教育研究の課題――改革動向への批判と提言』(1997・玉川大学出版部)』『経済学教育学会編『大学の授業をつくる――発想と技法』(1998・青木書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ゼミナール」の意味・わかりやすい解説

ゼミナール
Seminar[ドイツ]

大学などで教師の指導のもとに少数の学生がみずからの発表や討論により主体的に学習を進める形の授業,またその教授方式。大学における教育形態として重要な位置を占め,教師が一方的に研究成果を教授する講義形式と対照をなす。ラテン語のseminarium(〈苗床〉の意)を語源とし,英語ではセミナー,日本語では演習と訳される。ヨーロッパですでに16世紀に,僧職者の養成などでこの種の教育が始められたといわれるが,大学の教育法としては,ドイツの言語学者ゲスナーJohann Gesnerがゲッティンゲン大学で創始したとされる。日本には,1910年から東京帝国大学で経済学を講じたウェンティヒHeinrich Wäntigによって,導入されたとされている。今日では大学の枠をこえ,統一的なテーマをかかげ複数の講師がそれぞれ講演を行う形の勉強会が,広くこの名で呼ばれている。マス・メディアや各種団体などの手で,一般市民を対象とする公開ゼミナール(またはセミナー)や,ビジネスマンなど対象者をしぼった各種のゼミナール(セミナー)が,多数開かれる状況となっている。またテレビの教養番組や専門雑誌,個別記事のタイトルにも,好んで用いられる傾向がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼミナール」の意味・わかりやすい解説

ゼミナール
seminar

演習のこと。縮めてゼミともいう。大学などの授業法の一つ。講義では学生が聞くだけの受身の態度になりやすい欠点を補うもので,教授者の指導のもとに,学生が自主的に研究,発表,討論を行うもの。 J.ゲスナーがゲッティンゲン大学で創始したといわれ,日本の大学にも明治初年に導入された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ゼミナール」の意味・わかりやすい解説

ゼミナール

セミナーともいい,演習と訳。おもに大学で教授の指導下に小人数の学生がみずから発表・討論し,学習・研究を行う授業の形式。そのグループや施設もさす。seminarの語源ラテン語のseminariumは本来苗床の意。ヨーロッパでは16世紀から僧職者の養成教育のなかでこの形式がみられ,日本には1910年代に導入されたとされる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android