大学事典 「大学大綱法」の解説
大学大綱法[独]
だいがくたいこうほう
ドイツの高等教育大綱法(ドイツ)の基本的枠組みについて定めた連邦法。1969年の基本法(連邦憲法)改正により,連邦に「大学制度の一般原則」に関する大綱的立法権が与えられた(第75条第1号a)ことにより,75年12月に制定,翌76年1月に施行された。大学の使命,学修および教授,研究,大学の構成員,管理運営等の一般原則について規定しており,この法に基づき各州が州大学法を制定している。数次の改正が行われ,第3次改正(1985年)では総合制大学に関する規定の削除,教員組織の再編,第4次改正(1998年)ではバチェラー学位とマスター学位の導入,第5次改正(2002年2月)ではジュニア・プロフェッサー(準教授)職の新設(のち違憲判決),大学教授資格(ハビリタツィオン)の廃止,第6次改正(2002年8月)では授業料を無償とすること(のちに違憲判決)などについて規定されてきた。2006年の連邦制改革により,基本法において大綱的立法が廃止されたことにより,大学大綱法は失効することとなった。ただし,失効手続きはまだ終了していない。
著者: 長島啓記
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報