日本大百科全書(ニッポニカ) 「大寄茶会」の意味・わかりやすい解説
大寄茶会
おおよせちゃかい
多人数を一堂に集めて催される茶会の別称。大寄せとも、大茶会ともいわれる。豊臣(とよとみ)秀吉が東海地方を平定した記念として1585年(天正13)3月に催し、約75人が参会した会を初めとし、87年の北野大茶会へと発展する。明治以後は光悦会や大師会などで多くの参会者を集める会が流行し、茶道人口の増加とともに現代の茶会の代名詞となるほどに盛行している。しかし大寄茶会は、亭主が茶を点(た)てることなく、水屋で点てた茶を持ち出して客に供することが多いため、亭主と客との交情が感じられないとの批判があるため、最近では小寄茶会などと称し、茶事の形式をとった茶会なども試みられるようになった。
[筒井紘一]