東海地方(読み)とうかいちほう

日本大百科全書(ニッポニカ)「東海地方」の解説

東海地方
とうかいちほう

従来の自然地理区では静岡、愛知、岐阜3県をさすが、最近では名古屋大都市圏(中京圏)の形成によって三重県を含める場合が多く、愛知、岐阜、三重3県を「東海三県」というケースが多くなっている。中京圏、環伊勢(いせ)湾地域という場合がそれである。自然的・人文的地理区としては三重県を含めた東海4県をもって東海地方と規定するのが妥当である。地形は太平洋斜面の海岸平野と緩やかな丘陵台地が多く、気候は北陸式に対して東海式気候区に属し、気温は一般に温和でミカン、茶などが特産、海岸部には暖地性植物の自生地も多い。降雨は夏が雨期、冬が乾期で、冬季の快晴日数が多く豪雪現象は皆無である。交通史上では、古くから畿内(きない)、関東を結ぶ「東西交通の表回廊」として栄え、鎌倉街道、旧東海道のルートでもあった。明治以降は東海道線、新幹線が通じ、経済文化の中枢地帯として、太平洋ベルト地帯、東海道メガロポリスの一部となっている。

[伊藤郷平]

『藤岡謙二郎監修『中部地方』(1983・大明堂)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「東海地方」の解説

東海地方
とうかいちほう

中部地方の太平洋岸,静岡県愛知県の両県域と岐阜県南半部にあたる。大都市圏としては三重県を含めることもある。中部日本を地形的,気候的,経済および文化的要素で区分するときに用いられる。黒潮の影響で気候は温暖多雨。ミカン,茶,花卉などの栽培が盛ん。東海道新幹線東海道本線東名高速道路,国道1号線などの主要幹線が通り,水資源,港湾,労働力にも恵まれて工業発達。したがって人口集中が特に顕著である。静岡を中核都市とする駿河湾地区,名古屋を中核都市とする伊勢湾周辺地区に大別される。一帯東海道メガロポリスとも呼ばれる。

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精選版 日本国語大辞典「東海地方」の解説

とうかい‐ちほう ‥チハウ【東海地方】

本州中央部の太平洋側の地方。一般に静岡・愛知・三重の三県と岐阜県南部を含む。北陸地方・中央高地(東山地方)に対応する地方名として用いられる。

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世界大百科事典 第2版「東海地方」の解説

とうかいちほう【東海地方】

本州中央部の太平洋側に位置する地方で,名称五畿七道の一つである東海道に由来する。通常その範囲は愛知,岐阜,三重,静岡の4県を含むが,狭には東海3県として,愛知,岐阜,静岡を指し,あるいは愛知,岐阜,三重の3県を指す場合もある。太平洋ベルト地帯一翼を担う日本の表回廊的存在で,東海道新幹線,名神・東名両高速道路などの大動脈が通り,近代的産業の発達が著しい。都市化も高度に進んでおり,200万都市の名古屋市を中核とした都市圏である中京圏の影響が強い。

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世界大百科事典内の東海地方の言及

【中部地方】より

…日本列島を西南日本と東北日本に二分する地質構造線の糸魚川‐静岡構造線が走っており,その西側は飛驒,木曾,赤石の各山脈の高山域が卓越しているのに対して,東側は第三系を主とする低山地,丘陵と火山群からなる地帯を形成している。平野や盆地には,越後(新潟)平野や濃尾平野のように低湿地を含むもの,富山平野のようにゆるやかな扇状地式三角州をなすもの,東海地方の海岸部のように牧ノ原,三方原など新期の隆起性台地が発達するもの,甲府盆地,伊那盆地,松本盆地,長野盆地のように周辺の山地に大規模な扇状地を発達させているものなど変化に富んでいる。気候のうえでも,冬季に世界的な豪雪地帯で知られる日本海側と,冬季に温暖・快晴の日が続く太平洋側のように両極端の様相がみられる。…

※「東海地方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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