大江志乃夫(読み)おおえしのぶ

百科事典マイペディア 「大江志乃夫」の意味・わかりやすい解説

大江志乃夫【おおえしのぶ】

歴史家。専門は日本近現代史。大分市に生まれる。陸軍幼年学校陸軍予科士官学校をへて陸軍航空士官学校在学中に敗戦。名古屋大学経済学部を卒業。1975年,東京教育大学教授。同大学の廃校に反対し筑波大学への異動を拒否し,1976年,茨城大学教授。明治維新史研究と近代天皇制国家の軍隊軍事教育の研究で業績を残した。代表作《凩の時》(1985年)は,明治41年の陸軍歩兵第一連隊集団脱営事件をもとに軍国化と社会主義運動の弾圧を強めていく時代を描いたすぐれた史伝的長編小説で,大佛次郎賞を受賞した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大江志乃夫」の解説

大江志乃夫 おおえ-しのぶ

1928-2009 昭和後期-平成時代の日本史学者。
昭和3年2月8日生まれ。東京教育大教授をへて,昭和51年茨城大教授。近現代史を研究,とくに日露戦争など近代軍事史にくわしい。60年はじめての小説「凩(こがらし)の時」で大仏次郎賞。平成21年9月20日死去。81歳。大分県出身。名大卒。著作に「日露戦争の軍事史的研究」「明治国家の成立」「日本の参謀本部」「兵士たちの日露戦争」など。

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