大無間山(読み)だいむけんざん

改訂新版 世界大百科事典 「大無間山」の意味・わかりやすい解説

大無間山 (だいむけんざん)

〈だいむげんざん〉とも呼ぶ。静岡県中北部,赤石山脈最南部の光(てかり)岳から南東にのびる山稜に位置する山。標高2329m。井川ダムの背後にそびえる堂々とした山塊で,北東に小無間(しようむけん)山(2150m)も控えている。赤石山脈の主脈から離れ,名前が知られているわりには,登山者が少ない。頂上に天祖三神がまつられている。針葉樹林におおわれた山体は,肩を張り雄大であるが,北斜面から流下する明神谷およびその支流に比べて,南斜面の関ノ沢本谷,田代沢の浸食力が強く,斜面上部に多数の崩壊地を形成して,急峻な壮年期山地となっている。一般的な登山道は,井川ダムから危険な鋸歯と呼ばれるやせ尾根を登って小無間山に達し,ゆるやかな尾根を経て頂上に達するものと,寸又峡(すまたきよう)温泉から千頭(せんず)ダムと三隅池小屋を経るものとがある。いずれも大井川本・支流の深い浸食谷から比高1600~1800mにも及び,かなりの時間と労力を要する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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