大田原宿(読み)おおたわらしゆく

日本歴史地名大系 「大田原宿」の解説

大田原宿
おおたわらしゆく

[現在地名]大田原市山の手一―二丁目・中央一―二丁目・末広一―二丁目・城山一丁目・新富町一―三丁目

大田原南町おおたわらみなみまち村・同北町村で構成される奥州街道の宿。宇都宮宿から五番目の宿駅で、江戸から三八里六町余、佐久山さくやま宿へは一里二五町、次宿鍋掛なべかけ宿(現黒磯市)へ三里一町余。南西端の新田しんでん町で西に分岐する日光北街道のさわ(現矢板市)へ二里余の距離にある。天正一八年(一五九〇)一二月、豊臣秀吉大田原晴清に命じて継飛脚二〇人を当地に備えさせ文書逓送に当たらせたという。奥州への道は慶長五年(一六〇〇)関ヶ原の合戦以前は、光真こうしん寺裏山北方から蛇尾さび川を渡り、町島まちじま村へと通過したものと推定され、南側の城内北城堀切ほつきり下を通るようになったのは同六年以降で、宿駅としての機能を整えたのは寛永年間(一六二四―四四)と思われる。

正徳三年(一七一三)の大田原町絵図(印南敬二郎蔵)によれば、宿内の家数三〇四・本陣問屋一で、馬役九五・歩行役一一三・扶持人一一・川越橋掛人足三八・無役四七。文化元年(一八〇四)から文政四年(一八二一)までの間の状況を示すと思われる宿方明細書上帳(大田原市教育委員会蔵)によれば宿高二千一一一石余(すべて畑方)、享保一八年(一七三三)の地子免許は三万六千三三三坪で、加宿枝郷はない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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