加助郷(読み)カスケゴウ

デジタル大辞泉 「加助郷」の意味・読み・例文・類語

か‐すけごう〔‐すけガウ〕【加助郷】

江戸中期以降、宿駅定助郷じょうすけごうに新たに追加された助郷役街道交通量増加に伴って徴発された。まし助郷

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精選版 日本国語大辞典 「加助郷」の意味・読み・例文・類語

か‐すけごう‥すけガウ【加助郷】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期以降、宿駅の定助郷に追加して徴発された助郷をいう。定助郷よりも若干遠距離の三、四里程度の村々が指定されたもので、宿駅や定助郷の人馬だけでは不足するときに限って、そのつど宿駅が道中奉行に願い出て御証文の下付をうけ、人馬を割り当てたが、後には、宿駅、定助郷と特別の取決めをして、一定の人馬を恒常的に出すように固定化した。〔追分宿書(1820)上〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「加助郷」の意味・わかりやすい解説

加助郷
かすけごう

増(まし)助郷ともいう。江戸時代、交通量の増大に伴い、本来の助郷(定(じょう)助郷)のほかに、宿駅より数里も離れた村々にまで拡大して助郷役を課すること。

[編集部]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「加助郷」の解説

加助郷
かすけごう

江戸時代,定助郷だけでは負担しきれない臨時の大通行の際,定助郷の負担軽減のため課された助郷。定助郷より遠方の村に課されることが多く農民には重い負担であった。指定される村は藩領外の村が大半であるためか,藩領内の村との間に負担をめぐってしばしば争論がおきた。また遠方のため,貨幣による代納形式をとることも多かった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「加助郷」の意味・わかりやすい解説

加助郷
かすけごう

増 (まし) 助郷ともいう。江戸時代の助郷一種。交通量の増加に伴い新たに人馬提供の義務を負わされた,街道沿いの定助郷以外の郷村をいう。

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旺文社日本史事典 三訂版 「加助郷」の解説

加助郷
かすけごう

江戸中期に追加された助郷
街道交通量が増大し,従来の助郷では負担が過重で一揆発生もみたので,助郷村を拡大し,遠隔の村にも助郷役を課せるようにした。

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世界大百科事典(旧版)内の加助郷の言及

【助郷】より

…代りに務める代助郷は一般に遠隔地のため,代金納にすることが多かった。この人馬請負の稼ぎと宿助郷の負担軽減のため宿駅,定助は助郷拡大を望み,また幕府も定助を補う加(か)助郷,増(まし)助郷,当分助郷などの諸種の助郷を設け宿駅制維持に努め,これらに指定される村と宿,定助との対立もしばしば発生した。幕末には宿伝馬利用が激増し,助郷の指定が広範に行われ,宿,助郷の負担を増大させるとともに,両者間の緊張を高めた。…

※「加助郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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