国指定史跡ガイド 「大神神社境内」の解説
おおみわじんじゃけいだい【大神神社境内】
奈良県桜井市三輪にある神社。奈良盆地の南東、円錐形をした標高467mの三輪山(みわやま)の麓に立地する。祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)。神社は本殿をもたず、拝殿のみで三輪山全体を神体とするという古代の自然信仰をそのまま現在に伝える。大三輪の神として知られ、大神を「おおみわ」と読んで神の中の大神として、朝野の信仰を集めてきた。足を踏み入れることのできない禁足の山として、江戸時代は神社の山札がないと入山できなかった。現在も、大神神社の北北東にある境内の摂社・狭井(さい)神社の社務所での入山許可が必要である。拝殿は、1664年(寛文4)に4代将軍徳川家綱が再建したもので、その奥の三輪鳥居とも呼ばれる三ツ鳥居を通して三輪山を直接拝む。拝殿と三ツ鳥居は重要文化財。1985年(昭和60)、国の史跡に指定された。山麓には、辺津磐座(へついわくら)、中津(なかつ)磐座、奥津(おきつ)磐座などの巨石群があり、大神神社拝殿裏の禁足地(きんそくち)遺跡、山ノ神遺跡、狭井神社西方の新境内地遺跡など、祭祀遺跡が伝わっている。JR桜井線三輪駅から徒歩約5分。