精選版 日本国語大辞典 「祭祀遺跡」の意味・読み・例文・類語
さいし‐いせき ‥ヰセキ【祭祀遺跡】
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広い意味では考古学上からみた各時代の宗教儀礼の遺跡を網羅する。しかし通常は、日本の考古学上、時代を限定した狭義の用語とする。おもな時代は古墳時代で、縄文時代以前はその後の文化との継続性に問題が多いため除外し、仏教伝来後、外来文化の強い影響を受けた遺跡も多少区別して扱っている。
また官衙(かんが)、住居、生産、交通、墳墓などの遺跡とも分ける。墳墓は「死者に対するまつり」の遺跡であるが、埋葬そのものに関することは省き、墓前祭、墳丘構築のためのまつりなどは祭祀遺跡に加えることもある。住居関係でも祭祀器具などの生産、保有、同屋内での祭祀がみられるものなどを便宜上加えている。
こうして限定した古墳時代中心の祭祀遺跡は、全国でこれまでに約400か所発見され、中部九州から東北地方まで分布し、とくに関東から東北南部に濃密である。著名な遺跡には奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮周辺、桜井市三輪山(みわやま)付近、玄界灘(げんかいなだ)の宗像(むなかた)大社沖ノ島、群馬県赤城山麓(あかぎさんろく)などがあって、形容の美しい山の麓(ふもと)の高所、居住空間の端に、多くはなんらかの伝承をもつ岩石を伴って存在する。また島や岬にあって海神をまつったと思われる遺跡、水源の湧水(ゆうすい)地、川の淵(ふち)などで水の神・川の神をまつった遺跡などがある。集落内でも特定の岩石付近に展開するほか、竪穴(たてあな)住居内でも棚などを使用してまつりを営んでいる。自然の内に生活する古代人が、神の力に対し、恐れ、崇(あが)め、恵みを求めて、鏡、玉、武器武具、農工具など(あるいはその模造品)を捧(ささ)げ、多くの什器(じゅうき)に饌(せん)を盛ってまつった跡である。
[椙山林継]
『『神道考古学講座』全6巻(1972~81・雄山閣出版)』
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祭祀に関する行為が行われた遺跡,または祭祀に関する遺物が出土した遺跡。縄文時代の環状列石,弥生時代の銅鐸・銅矛などの埋納地も祭祀遺跡と考える説もある。祭祀の形態としては埋納遺跡・供献遺跡があり,神が鎮座・降臨するとされる磐座(いわくら)・磐境(いわさか)・神奈備(かんなび)・神木などの崇拝物のある場所や,山上・峠・湧水地・河川・湖沼・境界・離島などが選ばれた。国家から民間までさまざまな祭祀が行われ,四角四境祭・地鎮祭が一般的に知られる。祭祀には土師器(はじき)・須恵器や土製・石製・木製・金属製の模造品や小型品が用いられた。山形県羽黒山,栃木県日光男体山(なんたいさん),富士山頂,長野県神坂(みさか)峠,奈良県三輪山(みわやま),岡山県大飛島(おおひしま),福岡県沖ノ島などが著名。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…石製模造品として作った器物の種類には,武器武具――刀子(とうす)・剣・鏃・弓・短甲・盾,服飾具――鏡・勾玉・小玉・櫛・下駄,農工具――斧・たがね・のみ・鉇(やりがんな)・鎌・鍬・鋤,酒造具――坩(つぼ)・甑(こしき)・盤(さら)・槽(ふね)・案・臼・杵,機織具――紡錘車・梭(ひ)・筬(おさ)・滕(ちきり)・腰掛けなどがある。なお,ほかに沖ノ島祭祀遺跡から滑石製の人形(ひとがた)・馬・舟などが多量に出土しているが,奈良時代のものであるから,石製形代(かたしろ)とよんで区別する(沖島(おきのしま))。 石製模造品には,器物の全形を作ったものと,特定の部分にかぎったものとがある。…
※「祭祀遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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