奥津(読み)おくつ

精選版 日本国語大辞典 「奥津」の意味・読み・例文・類語

おくつ【奥津】

  1. 岡山県中北部、苫田郡鏡野町地名奥津温泉がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奥津」の意味・わかりやすい解説

奥津
おくつ

岡山県北部、苫田郡(とまたぐん)にあった旧町名(奥津町(ちょう))。現在は鏡野町(かがみのちょう)の中部を占める地域。旧奥津町は、1959年(昭和34)奥津、羽出(はで)、苫田の3村が合併して町制施行。2005年(平成17)鏡野町、上斎原(かみさいばら)、富(とみ)の2村と合併、新たに鏡野町となった。旧町域は、吉井川上流域にあり、谷底平野以外は山地。吉井川沿いに国道179号が縦貫する。山間部には砂鉄採取のための鉄穴(かんな)流しの跡が多く、旧羽出村には木地師(きじし)集落もあった。吉井川沿いに奥津温泉があり、温泉の2キロメートル下流には国指定名勝奥津渓がある。1973年、隣接の上斎原村などとともに当時の運輸省から奥津観光レクリエーション地区に指定された。しかし旧町域最南部に建設省(現、国土交通省)が苫田ダムを計画したため、町は、谷底水田の大部分が失われるとして、1959年ダム阻止特別委員会条例を制定し、計画に対抗した。その後1994年(平成6)に条例は撤廃され、ダムの建設工事は進められた。住民の根強い反対もあったが、ダムは2005年3月に完成、330ヘクタールの土地ダム湖(奥津湖)に沈んだ。

[由比浜省吾]

『『奥津町十年の歩み』(1970・奥津町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奥津」の意味・わかりやすい解説

奥津
おくつ

岡山県北部,鏡野町中部の旧町域。中国山地の南斜面にある。 1959年苫田村,羽出村,奥津村の3村が合体して町制。 2005年村,上齋原村,鏡野町と合体し鏡野町となった。山地が多く,農林業が主産業で,特に和牛飼育は古くから盛ん。吉井川上流の奥津温泉美作三湯の一つ。奥津渓には甌穴をはじめ転石,天狗岩などの奇景が多く,国の名勝に指定されている。付近の大神宮原高原にはスキー場がある。大部分が湯原奥津県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「奥津」の意味・わかりやすい解説

奥津[町]【おくつ】

岡山県北部,苫田(とまた)郡の旧町。北端は鳥取県に接し,大半が山地で農林業が主。主集落は吉井川上流に沿う久田下原(くたしものはら)。さらに上流の奥津温泉は美作(みまさか)三湯の一つとして有名で,単純泉,40〜43℃,湯量が豊富。足踏み洗濯の風習がある。下流の大釣温泉にかけて岩石段丘甌穴(おうけつ)のみられる奥津渓(名勝)がある。2005年3月苫田郡富村,上齋原村と鏡野町へ編入。130.83km2。1825人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「奥津」の意味・わかりやすい解説

奥津 (おくつ)

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世界大百科事典(旧版)内の奥津の言及

【奥津[町]】より

吉井川上流の山間地に位置し,谷底に水田があるほかはすべて山林で,かつては山地を牛の放牧地に利用したが,今日では植林が進んでいる。奥津温泉(単純泉,40~43℃)は湯原,湯郷(ゆのごう)とともに古代から美作三湯(みまさかさんとう)として知られる。女性が《奥津音頭》に合わせて足踏み洗濯をする風習があり名物になっている。…

※「奥津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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